こんにちは、スマホでまず見るパーツはSoC(チップセット)、よた(@yotalog_ag)です。
この記事では、スマホ選びに一番重要なパーツであるSoC(チップセット)について解説します。
Twitterなどで気になるスマホやゲーム用のスマホを検索していると、メモリ(RAM)やストレージ容量(ROM)について気にしている人が多い印象がありますが、筆者として一番気にするべき部分はSoCです。
基本的にどの用途での使用にもSoCというパーツはかかせませんが、あまり浸透していないのか詳しく説明している人が少なく、間違った情報も散見されます。
きちんとスマホやタブレットを購入したい人は、この記事で正しい知識を身につけて後悔しないスマホを選びましょう。

スマホやタブレットは長期的に使用する物なので、ここをケチると後々後悔することになります。
下記の動画でも、チップセットについて詳しく解説しています。
そもそもSoC(チップセット)って何?
そもそも、「SoC(チップセット)って何?」という人もいるでしょう。
SoCとは「System-on-a-chip」というパーツの頭文字を合わせた略称で、アプリの計算の処理に使われるCPUや画像処理に使われるGPUなどのパーツをひとつにまとめたパーツのことを指します。


- CPU
- GPU
- 通信モデム
- そのほかメーカーごとに異なる



よくCPUと呼ばれることもありますが、SoCのパーツの一部なので厳密には違います。
このSoCがないと、アプリの起動や操作、グラフィックの描写ができないためスマホにとって欠かせないパーツで、スマホの脳の役割をしているパーツでもあります。
SoC(チップセット)の性能が向上することでできること
アプリの起動速度や動作の速度が向上する
まず、SoCの性能が向上することでアプリの起動速度や動作の速度が向上します。
これは、SoCのなかにあるCPUというパーツが脳の役割を担っておりアプリの計算処理や動作の命令をしているため、CPU性能が向上するとアプリの動作速度が改善するためです。
日常的なところだと、YoutubeやTwitter読み込み速度や動作の速度が向上したり、ブラウジングの動作に影響もあります。


SoCがないとアプリの起動や動作をすることすらできないため、スマホで一番重要なパーツといえますね。
ゲームのフレームレートや画像処理が向上する
SoCのなかにあるGPUというパーツが画像や映像の処理に特化しており、GPUの性能が向上するとゲームのフレームレートや写真、グラフィックの画像の処理性能が向上します。
「ゲームのフレームレートって何?」という人は下記のサイトで詳しく記載されています。
とくに3DゲームやFPSゲームをプレイする目的でスマホやタブレットを選ぶ人は、SoCのグラフィック性能を気にした方がいいです。
また、GPU性能が向上するとカメラの画質向上にもわずかに影響がありますので、きれいな写真を撮りたい人はレンズとあわせてGPU性能についても考えるといいでしょう。



CPUと同じ脳の役割をしていますが、CPUはスマホの動作や計算の処理、GPUは画像や映像関連の処理で役割分担されています。
ファイルの書き出しや読み込み速度が向上する
SoCはスマホの脳の役割をしているので、ファイルの書き出しや読み込み速度にも影響があります。
実際は通信速度やストレージも影響がありますが、SoCの性能を向上させるととくに動画ファイルなどの大容量の書き出しがわかるレベルで速くなります。
SoC(チップセット)がスマホ選びで一番重要な理由
さて、筆者がSoCがスマホ選びで一番重要なパーツであるとこの記事でもほかの記事でもたびたび書いていますが、なかには疑問に思う人もいるでしょう。
スマホ選びの基準は人それぞれなので、否定をする気はありませんがこういった考え方もあるとスマホ選びの参考になるように、筆者がスマホ選びにSoCが一番重要だと思う理由を解説します。
SoCの性能でアプリやゲームの動作速度や快適度が変わる
SoCの性能が向上することで何ができるのか、この記事である程度分かったと思いますが、基本的にはアプリの動作速度や計算処理、ゲームのグラフィック性能などスマホのほとんどの動作に影響します。
つまり、SoCの性能次第でアプリが重くなったり逆に快適になったりします。
とくに動画編集や3Dゲームなどのスペックが要求されるアプリほど顕著で、スマホによってはSoCの性能が足りないと起動することすら難しいものもあります。
どんな用途でスマホやタブレットを買うにしても、SoCの性能は影響されるためスマホ選びをするならまずはここを重点的にみるのがいいでしょう。
メモリ(RAM)はそこまで気にしなくても問題ない
Twitterやほかのサイトで「メモリ容量が多いからスマホの性能が高い」「ゲームをするならメモリが重要」という意見があるので、これについてもこの記事で解説をします。
メモリの役割はスマホのアプリやサイトデータの一時保存で、メモリ性能が上がることで多くのスマホアプリを前回操作したところから再開することができるほか、動画編集ソフトや3Dゲームなど複雑な動作が要求されるアプリではSoCの補助をするため、アプリのデータを一時保存できるメモリは重要なパーツです。
ただ、個人的にはそこまで神経質になる程気にするパーツではないと思っています。
というのも、スマホのメモリはPCのように交換することができないため、基本的にはSoCの性能にあわせた容量のメモリを搭載されているうえ、ほとんどのスマホアプリは3GB以上のメモリさえあれば問題なく使用することができます。
3Dゲームの原神でも3GB〜4GBのメモリ容量が推奨されていますが、今のスマホのほとんどは3GB以上のメモリが搭載されています。
また、メモリはあくまでSoCの補助的な役割になるので、メモリの容量を向上させることでスマホアプリの動作が大幅に改善されるということはありません。
気になるSoC性能のスマホをいくつか見つけた際、どちらを選ぶのかの判断基準のひとつとしてメモリを確認するのがいいでしょう。
SoC(チップセット)の選び方
SoCの選び方の基準として、コア数やクロック数を見るのがいいという意見がよくありますが、これは正確ではないです。
「コア数やクロック数って何?」という人は、下記のサイトで詳しく解説しているのでこちらを見るのがおすすめです。
もちろん、気にしないよりは気にした方がいいのですがコア数やクロック数だけでSoCの性能を完璧に測ることはできません。
iPhoneのAチップを例に出してみると最新のiPhone 14 Proに搭載されているA16チップとiPhone8に搭載されているA11チップは、どちらも6コアCPUが搭載されているので同じ性能ということになりますが実際にはかなりの性能差がありますよね。


iPhoneのみの例でも、コア数で判断をすれば性能がいいとはいえないというのがわかります。
また、ほかのスマホではSoCの型番のみ説明しているメーカーも多いため、そもそもコア数やクロック数を確認しようとすると手間がかかります。



SoCの性能を完璧に測ることができるわけではないのに、コア数やクロック数を気にするというのは効率も悪くおすすめしません。
ではどのようにSoCの性能を調べるのがいいのかという話ですが、これはベンチマークアプリのスコアを比較することでSoCの性能を高精度で測ることができます。
ベンチマークとは、CPUやGPUといったパーツに負荷をかけて実際の動作性能を測るソフトウェアのことで、スマホアプリでも調べるとさまざまなベンチマークアプリが出てきます。
このベンチマークアプリでSoCを比較することで、どのSoCが性能が高くて低いのかというのが簡単にわかります。
そのなかでも特におすすめしたいのが、「Geekbench」と「3DMark Wild Life Benchmark」
の2つのベンチマークアプリです。
GeekbenchはCPU性能、3DMarkはGPU性能に特化しておりそれぞれのベンチマークのスコアを調べることでSoCの性能がわかります。
それぞれのベンチマークソフトのスコアは下記の公式サイトにランキングとして記載されています。
気になるスマホがあれば、その機種名を入力することで個別にデータの検索もできるので、SoCの性能を調べるならこの2つのサイトを参考にするのがいいでしょう。
さらに面倒くさい人は、CPU性能とGPU性能はセットなことが多いのでGeekbenchのスコアを調べるだけでもある程度はSoCの全体の性能を把握することができます。



筆者もスマホについて調べるとき、よくお世話になっています。
用途別のおすすめSoC(チップセット)
用途別おすすめのベンチマークスコア
ここまで、SoCとはどういったものかどうやって選ぶのがいいかというのが分かったと思います。
ただ、これだけだとどういった基準で選ぶのか、ゲーム用や電子書籍用にはどのSoCがおすすめなのかがわかりませんよね。
ということで、筆者の独自の基準で用途別におすすめのSoCをまとめました。
用途別のSoC(チップセット)の選ぶ基準 ※2023年1月時点 | |||
---|---|---|---|
用途 | Geekbench 5 (マルチスコア) | 3DMark (Wild Life Benchmark) | 主なチップ |
動画編集を快適に | 4,200~ | 8,000〜 | A14~、M1~ |
3Dゲーム、画像編集を快適に | 3,300~ | 4,500〜 | A13~,Snapdragon865~(X65番台) |
2Dゲームを快適に | 1,200~ | 2,000〜 | A10~、Snapdragon660~(X60番台)、Helio G90T~ |
動画視聴、読書に使用したい | 900~ | 1,000〜 | A9~、Snapdragon630~(X30番台)、Helio P22T~ |
ブラウザやSNSに使用したい | 500~ | ほぼ関係なし | A7~、Snapdragon430~ |
じゃっかんGeekbenchと3DMarkで差異がありますが、基本的には上記の表の数値を参考にするのがおすすめです。
動画編集や画像編集などアプリの計算部分に関わるのはGeekbench、ゲームなどのグラフィック部分に関係するのは3DMarkを重点的にみるのがいいでしょう。



もちろん、バランスよくみるのもおすすめです。
おすすめのSoC(チップセット)の種類
もちろんベンチマークスコアを見るだけでSoCの性能がわかるので、それだけで十分問題ないのですがさらにSoCの種類を絞るのもおすすめです。
なかにはベンチマークのスコアは高いけど、実際に使用したらゲームに最適化されていなくて思っているよりも快適にアプリを使用できないということもありえます。
安定性のあるSoCの種類を筆者が3つ紹介します。
- Apple A・Mシリーズ
- Qualcomm Snapdragon
- Google Tensor
おすすめのSoC(チップセット) ※2023年1月時点 | |
---|---|
Apple A・Mシリーズ | iPhone・iPadに搭載されており、安定度が高く、多少型落ちのSoCでも高性能なことが多い。 |
Qualcomm Snapdragon | Android端末のほとんどに搭載されており、安定性も高い。 |
Google Tensor | Google Pixelに搭載されており、最近開発されたSoCなのでどちらかというと将来性に期待だが、安定性は十分にある。 |
iPhoneとPixelに関してはAチップとTensorしか搭載されていないので悩む必要はそもそもありません。
AndroidはSnapdragon以外にもDimensityやKirinなどさまざまなSoCがありますが、安定に欠ける可能性があったり不具合が起きやすいことがあるので、安定性のあるSnapdragonをメインに選ぶのがおすすめです。
まとめ:SoC(チップセット)はスマホ選びでかなり重要なパーツです。
SoCはスマホやタブレット選びにかなり重要なパーツで、ここをケチると用途によっては後悔をすることになります。
もちろん、SoCだけでスマホやタブレットのすべてを語ることはできませんが、筆者としてはSoCでスマホ・タブレットの性能の半分以上が決まると思っているので、しっかりと知識を身につけて自分の納得するスマホを選びましょう。